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静岡県の富士スピードウェイでスーパーフォーミュラ選手権 第4戦の決勝が行われました。昨日の予選も各チーム 雨に翻弄される形となりましたが、決勝もスタート直前に振り始めた雨により、ペースカースタートとなりました。2周ほどペースカーが先導した後、3周目にレースがスタートされました。
ポールスタートのアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)がそのままトップで第1コーナーに入っていく。続いて2番手スタートの坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)3番手スタートの関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の順。パロウは順調に周回を重ねていく。
今回のレースはピットインを義務付けられておらず、また雨によりペースも遅くなるのでノーピットでも計算上燃料はなんとかゴールまでもつ計算になる。しかしタイヤがギリギリもつかどうかというところのため、上位陣はライバルがピットインをするのかしないのか、互いに相手の腹の探り合いをする心理戦へと突入していく。そんな中、パロウはじりじりと後続を引き離しにかかる。
43周目には3位の関口が燃料が厳しくなったのか給油のためピットイン。代わってニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)が3位浮上。
レースも終盤に入り、予定の55周を消化する前に90分ルールが適用されることが判明すると、ペースを上げたキャシディが2位の坪井のすぐ後ろに迫る。激しい水しぶきで前が見えない中、数週に渡りデッドヒートが繰り広げられたが、坪井はなんとか2位を死守しフィニッシュ。
パロウも他を寄せ付けない速さでトップチェッカーを受けてスーパー・フォーミュラ参戦4戦目での初優勝を飾り、ナカジマレーシングとしては2010年開幕戦以来の9年ぶりの勝利を中嶋悟監督に捧げた。
このレースでスーパーフォーミュラにデビューしたメキシコ人ドライバーのパトリシオ・オワードは14位で無事に完走を果たした。
アレックス・パロウ選手
「本当にチームが頑張ってくれたと思う。今日のレースはとても難しい状況だった。ピットインをしないという戦略を取ったチームが多かったことで、チームから燃料をセーブセーブと言われていたが、走り始めても、もっともっとセーブしてくれと言われ、坪井選手も後ろに来ていて、なんとか抑えなければと思いつつ走った。後続のドライバーもやはり同じ状況で抑え合いになってきて、坪井以下がだんだん詰まりはじめたのが、僕が坪井を引き離す要因だったと思う。」
中嶋悟チーム監督
「本当に久しぶりにこういう場(記者会見場)に来られたことを嬉しく思う。今年になって牧野、パロウの速さもあって今までとは違う緊張感の中でレースができて4戦目でこういう(優勝)をプレゼントをしてくれたのは本当に嬉しいし、(今季中に)もう1回くらい欲しいなと思います。」
(文:Masateru Akiyama)